三菱電機ルームエアコン「霧ヶ峰」静岡製作所ツアー【前編】【PR】
三菱電機ルームエアコン「霧ヶ峰」静岡製作所ツアー【前編】【PR】
仕事は一切無関係、飲み仲間の延長、そんなオジさん達と、旅して飲み食いするブログ「オジ旅」のメンバーとして活動してるんですが。
なぜだかオジさん達に声がかかりまして、先日三菱電機 静岡製作所ツアーにご招待いただきました。
静岡製作所ではルームエアコン「霧ヶ峰」を製造しており、工場見学もさせていただいたのですが、私自身が建築士という技術者でもあるわけで、見学工程よりも霧ヶ峰の2016年新モデル「FZシリーズ」「FLシリーズ」の開発担当者さんから伺った技術的な内容を重視してブログに書いていきます。
「FZシリーズ」の担当者、本体と羽根の隙間について力説する、松本 崇さん
「FLシリーズ」の担当者、リモコン開発中の嬉しかった出来事を話す、中洲 次郎さん
熱意ある眼差しや、プレゼン中の笑顔を見ると本当に「霧ヶ峰」が好きなんだと伝わってきました、
兎にも角にも、作り手がプレゼンしていて笑顔になる製品であれば、使い手も当然、笑顔になる製品に決まってるじゃないですか。技術者ってのは嘘がつけない人種ですから。
そんな三菱電機のエアコン最高峰「霧ヶ峰」シリーズ、まずは生まれた歴史から確認してみます。愛情あふれるプレゼンの詳細はのちほど、
霧ヶ峰の技術と歴史
1967年 壁掛セパレート形エアコン「霧ヶ峰」誕生(数え年で50歳)
写真は1968年製の「霧ヶ峰」 第1号機
ちなみに工場の壁に貼ってあったこのパネル
床置セパレート形エアコン「上高地」窓掛形エアコン「軽井沢」
「霧ヶ峰」が誕生した1967年は、空前の別荘ブーム。避暑地にもうひとつのわが家を持つことが、憧れのライフスタイルとなっていました。そんな風潮を反映して、長野県の高原「霧ヶ峰」から名前を拝借したのが当時新開発の壁掛形ルームエアコン。あまり知られていませんが、実はシリーズ製品として、床置形の「志賀」と「上高地」、窓掛形の「軽井沢」もデビューしていたんです。
三菱電機 CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC)
別荘ブームから「霧ヶ峰」という名前がついたなんて全く想像もつきませんでした。
世界初のラインフローファン採用
三菱電機が1968年「霧ヶ峰」に家庭用で世界初採用したラインフローファン(クロスフローファン)。今やメーカーを超えてほぼ全てのエアコンに採用されているエアコンの代名詞と言えるファン形状です。
※写真手前の筒みたいなのがラインフローファン
温度センサーの進化、ムーブアイ搭載
かつてエアコンは部屋全体を暖めるものであったが、部屋全体を暖めるのではなくピンポイントに「人を暖める」ことで快適さと省エネが両立できるのではないか。そこから開発された技術が「ムーブアイ」でした。
ムーブアイという機能がある、という事はこの工場見学をする以前から知っていましたが、実の所人感センサーくらいにしか理解していませんでした。
体温高い人が近づいたら強めに運転するんでしょ、体温下がったり部屋から居なくなったら弱くなるんでしょ。とムーブアイなめてました、ごめんなさい。
この2つのカラフルな画像を見比べてください、どちらも同じカメラの前に立った私達をとらえた映像です。
左の四角が沢山並んでるのが「ムーブアイ」の検知画像、そして右側が「ムーブアイ極」の検知画像です。
この解像度というか検知エリアの進化レベルがわかりますか、左では人が居るかどうかの判断はできるでしょう。
ムーブアイはこういう人感センサー機能だよな、と知った気でいたわけです。
それが「ムーブアイ極」となれば人の有無は当たり前、全員の手足頭、人間の部位毎の温度差まで検知するわけです。
何人か居る部屋の中で手足の温度が低い人を見つけたらその人に向けて優先的に暖かい風を送るわけです。
それ以上に驚いたのが学習機能
ムーブアイには学習機能が搭載されていて、日々蓄積されていく画像データを解析し、人が動き回るエリアから床の形状、部屋の広さを判断。床の形状から壁の形状、壁の温度差から窓の位置、家具の位置など判断。
窓の位置と温度データから窓が空いてるのか閉まってるのか判断(窓が開いてますとリモコンに通知する、お知らせナビ機能)
熱源となる物体が検知されれば温度帯からテレビなのか電気ポットなのかペットなのか判断するとの事。
他にもこれまで三菱電機が開発してきた長年の開発データとの照合によって色々な項目で検知、記憶、そして最適化されていくそうした様々な蓄積データを学習し、風の方向や温度、強さを判断し快適な送風に反映させていくのが「ムーブアイ」なのだそうです。
学習機能が搭載されているので使えば使う程に壊れるまでどんどん進化していくと担当の方が仰っていました。
2000年に誕生した「ムーブアイ」 、誕生から現在までの膨大な開発データをもつ三菱電機だからこそ可能な、想像もしていなかったハイレベルな技術。
エアコンが人に部屋に合わせてくれる
エアコンが人間の住んでいる住宅の特徴を自動的に学習し、その家に合った「一番省エネな方法で」とっても「快適な温度環境」を生み出してくれるんです。
家なんて窓の位置もサイズも個数も、部屋の広さも壁の厚さも素材も全て違う、時間帯も人数も好みの温度帯だって違うでしょう。
部屋に合わせてそれなりのエアコンを選ぶよりも、エアコンの方から部屋に合った運転を更に高いレベルでしてくれる方が快適さも省エネ性能も良いに決まってます。
高気密高断熱住宅とムーブアイ
日本の住宅は高気密高断熱化が進んでいると耳にする事があるかもしれませんが、実際の断熱性能は住宅先進国に比べて1/3と言ってもいいくらいの現実です、とにかく断熱性能がものすごく低いのが日本の住宅なのです。
例えば日本の断熱性能最高水準の窓サッシも国によっては最低基準以下で使えない、なんて性能なのです。
とはいえ日本の住宅メーカーが悪いわけでなく、狭い土地や夏の通気性を大事にしてきた日本の歴史風土にも原因があるようで、住宅先進国はもちろん中国や韓国と比べても基準そのものが桁外れに低いのが日本の現状だと建築業界では言われています。
将来、日本の住宅性能が上がり高気密住宅になればエアコンを24時間運転する事が理想的だと担当者さんが説明して下さいました。
さらには一部屋に1台から一家に1台のエアコンで温度管理できるようになる、そうなるとエアコン売れなくて困るんですけどね、笑。 なんて冗談まで。
そうなんです、家の断熱性能が違えば当然、エアコンに求められる機能も性能も全く変わってくるんですよね。
世の中にある様々な家、それぞれ全く違う断熱性能なわけです、同じ家だとしても窓の数によって断熱性能なんて部屋によって全く違うわけです。
一般的な日本の住宅の場合、部屋の中で最も気温変化に関係するのが壁や天井に比べて極端に断熱性能の低い窓です。
エアコンが窓の位置と温度状況を把握して適正なコントロールをしてくれる、これ実はとても大切な事なんです。
【後編】2016年 ラインフローファンから2つのプロペラへ進化 へ続く…